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アーカイブ: 8月 2015

肺炎球菌ワクチンと歯科治療

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今年も酷暑で連日最高気温がニュースになっていましたが、さすがに立秋あたりから少し秋の気配を感じるようになってきました。
にぎやかなセミの鳴き声も風情があっていいものですね。

さて、平成26年10月1日から、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。
テレビや新聞の宣伝でご覧になった方も多いのではないでしょうか。
健康な方は肺炎球菌によって感染症を引き起こすことはないのですが、特に65才以上の免疫力の落ちた方は肺炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、中耳炎、などを発症することがあります。
肺炎はガン、心疾患についで死因第3位であり、肺炎で亡くなる方の96.8%が65歳以上です。
また、加齢により嚥下機能が低下することで誤嚥性肺炎も起こりやすくなります。

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ワクチンを接種すれば、からだが何かの反応を起こすのは当然のことで、全身症状として1~5%の方に倦怠感、違和感、悪寒、発熱などの副反応が起こることがあるそうです。

厚生労働省のホームページに、ワクチン予防接種についてこんな記載があります。

予防接種ガイドライン
第4 予防接種の実施
4 一般的注意
(5) 「抜歯,扁摘手術,ヘルニア手術等,緊急性のない場合には,予防接種後1カ月間は,紛れ込み事故を考慮に入れ,原則として避けることが望ましい。しかし,緊急性の高い手術,周囲に流行する病気の状況によっては必ずしもこの限りではない。」

ワクチン接種後一ヶ月は抜歯を避けてくださいと書いてあります。
なぜかというと、例えば、予防接種後に抜歯して発熱した時、予防接種のせいなのか抜歯のせいなのか判断がつかないからということです。
ただし、あくまでも緊急性がない場合であって、歯の状態がかなり悪く抜歯することのメリットのほうが大きい場合は、必要に応じて対処すべきでしょう。
ということで、ご来院いただく皆様にお願いですが、予防接種を受けた際には必ず担当医へ接種を受けた時期について一言お伝え下さいね。

歯科医師 富永克子

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パッチテスト

「よく口内炎が出来る…」
「歯科治療をうけてから手足に症状が出た…」
「治りにくい皮膚トラブルがある…」
こういった症状で悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
金属が原因で発症するアレルギーがあることをご存知でしょうか?

上記の症状が継続している場合には口腔内の金属が原因であることが疑われます。
以下に口腔内の金属に由来するアレルギーについてご説明いたします。

■アレルギーとは…

免疫の異常反応のこと
体内に侵入した異物を排除するシステムが「免疫」ですが、本来の免疫機能が過剰に働いてしまい、身体に悪い影響を及ぼしてしまう状態を「アレルギー」といいます。

■金属アレルギーとは…

金属が原因で起こるアレルギーのこと
原因となりやすい金属には、ニッケル・コバルト・クロム・パラジウム・アマルガムなどがあり、これらの金属は私達の身の回りでたくさんの物に使われています。
例えば、時計・眼鏡・アクセサリー・化粧品など毎日のように身に付けるものから、お金・調理器具・文具など、生活にはかかせないものまで様々な物があります。
こういった金属が、汗や体液により流れ出し(イオン化)、接触部に皮膚炎などを起こす事を金属アレルギーといいます。

■歯科金属アレルギー

歯科治療で使われている金属にも金属アレルギーのリスクがあります。
保険治療による詰め物・被せ物・入れ歯や、自費治療による被せ物にも内面に金属を使用している事があります。
口腔内の金属は唾液などにより溶け出し(イオン化)、体内のタンパク質と結合します。
この結合物質=異物を身体が認識すると、免疫を作り、過剰に反応する事でアレルギー症状を引き起こします。

■症状

口内炎・口唇炎・舌炎などの炎症症状や、味覚異常、口腔扁平苔癬などの口腔内に表れる症状と、掌蹠膿疱症など口腔から離れた部位に表れる症状があります。

*口腔扁平苔癬と白板症
口腔扁平苔癬とは口腔粘膜における慢性の角化異常で炎症を伴う難治性病変です。
頬粘膜に多く認め、白いレース状で周囲に発赤を呈します。
原因は外傷性、細菌性、ウィルス性、アレルギー性など諸因子ありますが、定かではありません。
原因が不明なため、確実な治療法はありませんが、経過観察の必要性はあります。
なぜなら、白板症と酷似した臨床所見であるからです。

白板症とは、前癌病変の代表的なひとつで、舌に生じたものは特に悪性化する確率が高く、すでに癌を発症している恐れもあります。
白板症の原因も詳しくは解明されていませんが、喫煙や、ブラッシング・歯科金属・義歯など様々な継続的な刺激が誘因だとされています。

*掌蹠膿疱症
膿が溜まった皮疹(膿疱)が、手の平(手掌)や足の裏(足蹠)に無数にできる疾患です。
これも現在のところ原因は不明ですが、金属アレルギーと喫煙が重視されています。
細菌やウィルス感染ではないため、他人には移りません。

■検査

現在のところ金属アレルギーの最も信頼性の高い検査はパッチテストであるとされています。
試薬を含ませたシール状のパッチを背中に2日間貼り、2日後にパッチを除去し、皮膚に現れた反応を2日目、3日目、7日目の3回、国際基準に基づいて判定します。

■治療

口腔内に金属がある方は、どの金属が体質に合わないのかを正しく調べ、アレルギー源となっている金属を取り除きます。
そしてアレルギーリスクの低い金やチタン、アレルゲンフリーのセラミックやプラスチックへ交換していく必要があります。
ただ、金属を取り除いても、体内の抗体はすぐ消えるわけではないので、症状が治るまでには3ヶ月から6ヶ月程かかります。
金属アレルギーは誰でも発症する可能性があります。
発症を防ぐためには、現在、口腔内に金属がある方もない方も、これから金属を使う治療をうけなくて済むよう、日頃から虫歯や歯周病の予防を心がける事が最も大切です。
また、金属アレルギーの症状で悩まれている方や、興味のある方は、気軽にご相談ください。

歯科医師 安原 亜矢子

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