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アーカイブ: 8月 2020

口腔領域に発生する「血管腫」

皆さまいかがお過ごしですか。
新型コロナウイルス感染拡大予防のための休業、自粛要請が解除され、普通の生活に戻りつつある昨今ではありますが、まだまだ不安を感じながら生活されている方も多いのではないでしょうか。
6月15日から21日まで東京メトロ表参道駅のコンコースで、新型コロナウイルス感染症の治療にかかわる医療関係者への感謝を示すポートレート写真展が開催されました。
特定感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症の治療に当たっている国立国際医療研究センター病院に勤める医師や看護師ら21人を写真家・宮本直孝さんが撮影したもので、治療の最前線に立つスタッフたちの緊張感、緊迫感が伝わり、私ども歯科医師も医療従事者として、通常通り使用する器材の滅菌消毒の徹底に加え、コロナ感染予防対策リストを作成厳守し、患者様、スタッフの安全に留意しつつ、微力ながらも皆さまの健康維持向上のために貢献させていただきたい…と改めて思いました。

ところで、今回は口腔領域に発生する「血管腫」について、少しお話しさせていただこうと思います。
「血管腫」は、血管組織由来の良性腫瘍であると教えられてきましたが、最近の研究では「腫瘍」と言えるものはその一部にしか過ぎず、ほとんどは発育異常であり、「血管奇形」という認識に変わってきています。

口腔領域での好発部位は舌、口唇、頬部などの軟組織ですが、顎骨内に発生することもあります。

大きさはさまざまで、表面の多くは暗赤紫色を伴い、やや隆起していることが多いのですが、腫瘤が深部にある場合は表層の色調に変化がみられないこともあります。
腫瘤は軟らかく、MRI、エコーなどの検査により診断します。
手指などで圧迫すると表面の色が退色し、また腫脹も消退しますが、圧をはなすと元の状態に戻る(被圧退縮)のが特徴といわれてきましたが、実際はこのようなものは多くはありません。

学生時代に習ったものと随分変わっており、医学が日進月歩のものであると実感します。
腫瘤が小さい場合、部位によっては経過観察となることもありますが、血管腫は徐々に大きくなることが多く、また誤って噛むことにより出血をきたす危険性があるため、積極的な治療をおこなうことも少なくありません。
治療法としては血管が集まった腫瘤へのアプローチですから、治療時の出血を最小限に止めなければなりません。

塞栓療法、凍結療法、硬化療法や摘出手術などが従来からおこなわれている治療法ですが、これらの処置は通常入院が必要であることに加え、再発、瘢痕による機能障害(口が開きにくくなる等)・審美障害(傷跡等)などの後遺症が課題となっていました。
しかし最近では、医療用レーザーの使用により最小限の外科的侵襲で治療出来るようになったため、外来での治療や、後遺症を最小限に抑えることが可能になりました。

【レーザー照射による治療例】

(上記症例写真は丸岡豊先生のご厚意により掲載させていただいております。)

この口腔領域の血管腫のレーザー治療は2018年に国立国際医療研究センター病院歯科・口腔外科 診療科長 丸岡 豊先生(現 同センター副病院長)らのご尽力により、保険治療に収載されたため、費用面でも治療が受けやすくなりました。
血管腫(血管奇形)治療の詳細についてはこちらの記事をご参照ください
血管腫(血管奇形)治療の詳細)。

新型コロナウイルスの研究・治療で一躍注目を集めた国立国際医療研究センター病院ですが、丸岡先生を始めとする多くの優秀な医療スタッフを擁し、国立高度専門医療研究センターの1つとして、全科通じ診療と研究を統合した高度医療を提供している素晴らしい総合病院でもあるのです。

当診療所は国立国際医療研究センター病院の他にも近隣大学病院や総合病院との病診連携をとり、万全の体制で患者様の診療に臨んでおりますので、口腔領域のお悩みがある方は、いつでも安心してご相談ください。
お口を通して皆様の健康管理に寄与出来ましたら幸いです。

本記事の作成に関しましては、国立国際医療研究センター病院 歯科・口腔外科診療科長の丸岡 豊先生、並びに株式会社メディカルノート様に多大なるご協力をいただきました。記して御礼申し上げます。

歯科医師 竹屋江美

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