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星陵日記

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[2024.03.01] 口が乾く 口腔乾燥症 [2022.11.04] ドライマウスを昆布のうま味で改善⁈
[2024.01.25] 歯科と栄養の関わり [2022.10.04] 親知らずの抜歯,全てお話しします!
[2023.11.21] 顎が痛い!顎関節症のお話 [2022.08.23] 噛める入れ歯の作り方
[2023.10.23] 口腔アレルギー症候群 [2022.05.27] 子供を虫歯にさせないためにできること
[2023.09.15] 漂白(ホワイトニング)ってよく聞くけれど、何なの? [2022.04.27] 顎の病気~特発性下顎頭吸収~
[2023.08.14] 上顎洞挙上手術とは
~サイナスリフトの有効性~
[2022.03.14] 歯がしみるメカニズム
[2023.03.29] 健康寿命と矯正治療 [2022.01.26] 歯周病と喫煙の関係性
[2023.03.03] イオンチャネル [2021.11.29] ボトックスと顎関節症
[2023.02.03] 口腔機能の低下症とは [2021.10.21] 味がわからない
~味覚障害の原因・治療~

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予防歯科の3つの輪
~歯科保険セミナー参加録~

寒中とは思えない暖かな日が続いていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
スキー場では雪不足で開業延期や一時休業が相次いでいるそうです。
春先にかけても高温傾向の予測が出ているので、関東では雪が降っても積もる事はないかもしれませんね。
暖冬とはいえ、朝晩の冷え込みは厳しく、日中と気温差が激しい日もあるので体調を崩さいようにお気を付けください。

先日、歯科保健セミナーに参加してきました。
講師の西先生から虫歯や歯周病の予防の重要性について学ばせて頂きました。

まず予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく症状が現れる前に、早期発見に努めるという考え方です。
本格的な予防歯科に世界で初めて取り込んだ国はスウェーデンであり今回スウェーデンと日本との違いを比較したお話を聴くことができました。
一番驚いたのが、日本は1日3回、1回3分、食後3分以内というのが昔からの歯磨き方法でしたが、スウェーデンでは1日2回(その内1回は就寝前に必ず行う事)、1回2分(1500ppmフッ素含有の歯磨き粉を必ず用いる事)、ブラッシング後は唾液の緩衝能(口の中が酸性に傾いてるものを中性に戻す力)がしっかり働くのを待つため2時間歯を休ませるのが基本だということでした。
1日3回磨くことはもちろん悪いことではありませんが、2回磨いた時と3回磨いた時とでは歯周病には効果的ですが虫歯の発生に大差はないという事でした。
3回磨かなければと思うと歯磨きは大変なものだというイメージになってしまいますが2回なら継続できるという意識の違いがスウェーデンでの予防歯科に繋がっているのだと思いました。

虫歯の成り立ちは細菌因子、食物因子(糖質など)、宿主因子(唾液の機能や量、歯の強さなどの個人差)の全てが揃った時に起こるものであるので、この3つの輪が重ならなければ虫歯にはなりません。
逆に歯の健康のためには、正しい食べ方(だらだらと食べない)、歯磨きの仕方、フッ素を利用する、この3つをしっかり行わればなりません。

歯磨きを頑張っている、甘いものを殆ど食べないのに虫歯になりやすい方は、唾液の機能や歯の強さ、口の中の細菌の数が関係している可能性があります。

実際にそれらを調べる検査があります。
原因に合わせた予防法がいかに大切であるか、また歯の喪失数は加齢現象ではなく年齢は関係がないので、正しい原因を突き止め個人にあった予防法がいかに大切であるかを改めて学びました。

そのためには、歯科医院でのプロフェッショナルケアと、自宅で行うセルフケアの両方が大切です。
虫歯や歯周病にならない健康な歯を維持できるよう患者さんのサポートを頑張っていきたいと思います。

歯科医師
沼口友美

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BP製剤を服用中の方へ(MRONJ)

師走も半ばを過ぎ何かと気ぜわしい毎日ですが、皆さまお変わりはございませんか?
街角ではクリスマスイルミネーションが輝いていて、華やかさに心が踊ります。

今回はBP製剤を服用中の方へお願いしたいことがあります。

BP製剤とは

ビスホスホネート製剤(BP製剤)を代表とする骨代謝修飾薬は骨粗しょう症やがんの骨転移に対し非常に有効なため、多くの方が服用されている薬です。
しかしBP製剤などを服用中または服用された経験のある方が抜歯など骨を触らなければならない歯科治療を受けると顎の骨が壊死してしまう場合があり、MRONJ(Medication Related Osteonecrosis of the Jaw)と呼ばれています。
発症率は海外の報告によると0.01%~0.1%となっていますが正確な数字はわかっていないためBP製剤を使用している、またはしていた方は注意が必要です。
国内で販売されているBP製剤は下記のものがあります。

【注射用製剤】 【経口製剤】
アレディア ダイドロネル
オンクラスト ティロック フォサマック ボナロン
ビスフォナール アクトネル ベネット
ゾメタ

など数多く挙げられます。

MRONJとは

BP製剤の服用やデノスマブ、血管新生阻害薬等を服用している状態または服用後、顎骨が壊死してしまう病気です。
初期では無症状なことが多いですが、進行してしまうと痛みや骨髄炎、骨が腐敗してしまうといった症状が出てきてしまい、治りにくくなっています。
症状が出てきてしまう原因として下記のものが挙げられます。

症状

骨露出、骨壊死、痛み、腫れ、オトガイ神経支配領域の知覚麻痺、歯がぐらつく、膿が出るなど様々な症状が出てしまいます。

MRONJの発症にはお口の中の環境が引き金になることがほとんどです。
良好なお口の中の環境を保つことが予防に有効になります。
またBP製剤などの薬を服用する前に歯科の治療を行うことが大変重要になってきます。
MRONJの予防の他、歯周病やムシ歯予防の為にはお口の中の環境を整えることが必要です。
しっかり定期検診を受け健康な状態を保つようにしましょう。
また骨粗鬆症やMRONJに関し、わからないことがあればいつでもご相談ください。

歯科医師
渡辺知明

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源頼朝の死因は歯周病??

寒気が身にしみる季節となりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

最近では、テレビの影響もあり歯周病が全身に影響を及ぼす怖い病気と認知されつつあるように感じます。
そんな歯周病に歴史上の人物も苦しめられていたかもしれません。
それは源頼朝です。

1185年、壇ノ浦の戦いで平家が滅亡し、頼朝は征夷大将軍に任ぜられ、独裁権力を握ります。
その後、大江広元ら有能な官僚による統治システムを進めますが、1198年12月27日、相模川で催された橋供養からの帰路、落馬して体調を崩し、翌年1月13日に死去しました。
死因に関しては諸説ありますが、落馬の際は一過性の脳虚血発作であり、一旦は回復したものの、その後も致死的でない発作を繰り返し、水を飲んで誤嚥し、肺炎から敗血症をきたして死亡したのではないかと考えられている説があります。
いずれにせよ、それまでの『吾妻鏡』には頼朝の健康に関する記載がほとんどありませんが、死去約4年前に歯の病に苦しんだという記載があるようです。

もし歯周病であったとすると、単に口腔内の炎症であるのみならず、心内膜炎、アテローム硬化、脳梗塞、虚血性心疾患、糖尿病などのリスク因子となります。
さらに歯周病患者では、口腔内の嫌気性菌自体が誤嚥性肺炎のリスクとなります。

度重なる暗殺未遂、そして幕府設立に至る権力闘争で多くの一族や部下を粛清してきた頼朝の絶え間ないストレスは、歯周病を悪化させ、歯周病が孤独な権力者の全身を蝕んでいったのかもしれません。
もしこの時代に頼朝が適切な歯科治療や口腔ケアを受けることができていれば、倒れて寝たきりになっても誤嚥性肺炎で死んでしまうことはなかったかもしれません。

歯周病は、虫歯と並ぶ歯科の2大疾患のひとつです。
厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成29年(2017)調査によると、「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、398万3,000人で、前回の調査よりも66万人以上増加しました。

軽度のものも含めると、成人の約70~80%の人が歯周病に罹患していると言われています。
口腔内だけでなく全身疾患の予防のためにも、歯科治療と口腔ケアを徹底していきたいですね。

(参考文献:早川智『戦国武将を診る』朝日新聞出版)

歯科医師
末次里沙

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歯磨きの起源と歴史

皆さまこんにちは。歯科医師の小松です。
11月に突入し徐々に冷え込む季節となりましたが、ご体調を崩されてはいませんか。

今回は口腔清掃の起源についてお話ししたいと思います。
皆さまは、いつから口の中を清潔に保つ習慣が始まったのかご存知ですか?
口腔清掃の起源には世界共通のものがあります。
それは医学的見地からではなく、信仰とともに起こったと言われています。
人々は神に祈る前の身を清める作法の一つとして口を漱ぐことにはじまりました。
ギリシャの哲学者アリストテレスがアレキサンダー大王のために書いた『健康の書』にも記載がある通り、紀元前から口腔清掃の習慣があったことがわかります。
そして歯磨きの歴史について実証されている世界の最も古い記録は紀元前1500年頃のエジプトのパピルスにあるものと言われています。
また、日本における歯磨きの起源は6世紀ごろの仏教伝来とともにあります。
B.C.5〜6世紀にインドで起こった歯木(しぼく)と呼ばれる木片を咬砕したもので歯面を擦り始めたのが始まりとされています。
仏教が日本に導入された頃には、僧侶、公家などの上流階級が身を清める儀式として歯磨きを行なっていました。
そして江戸時代になると、歯木は房楊枝へと形を変えて商品化されました。
また、この房楊枝には3つの働きがありました。まずブラシ状になっている部分で歯を磨き、反対側の尖っている部分で歯と歯の間の汚れを取り除きます。
さらに柄のカーブした部分で舌をこすり、舌の掃除もしていたそうです。

また以前では塩を用いて歯磨きをしていましたが、歯磨き粉(砂の歯磨剤)も普及し庶民にも歯磨きの習慣が浸透していきました。
しかし当時の人々の口腔衛生管理の意識は現在に比べて低く、知識も少なかったため虫歯や、歯周病になって歯を失う人が多かったそうです。
江戸時代の俳諧師 松尾芭蕉もその一人です。自身の歯についての句を次のように詠んでいます。
「むすびより はや歯にひびく 清水かな」
これは、手で清水をすくい、口にいれようとするとその冷たさが歯にしみる気がするといった意味です。虫歯や歯周病により冷水のおいしさも十分に味わえなかったことを嘆いているように思われます。
一方で、次のようなお話もあります。
養生訓など健康に関する本を著した江戸時代の儒学者 貝原益軒は、83歳にして歯を一本も失っていなかったそうです。
養生訓にて「毎日、時々、歯を叩くこと36度すべし、歯かたくなり、虫くはず、歯の病なしと」と述べています。
これは12世紀に中国で記された「養生方」に出てくる「叩歯(こうし)」の歯のケア方法に由来します。叩歯とは、歯をカチカチ鳴らすことで歯の骨を丈夫にする噛む健康法で、虫歯にもならないと言われていました。
このように、現在のような歯ブラシや口腔清掃方法が確立されるまでは多くの人が虫歯や歯周病で苦しみ、独自の健康法が編み出されていたのだと想像できます。

歯ブラシの登場

江戸時代末期の開国により明治時代初期には現在の形のような歯ブラシが西洋文化とともに流入してきました。
日本で初めて発売された歯ブラシが、この西洋歯ブラシを真似て作られた鯨楊枝とよばれるもので、鯨の髯を柄にして馬毛が植えられていました。
そしてこの歯ブラシという言葉が最初に使われたのは大阪盛業会社が明治23年頃『歯刷子(はぶらし)』という名称で出品してからの事で、さらに商品名として歯ブラシという言葉が使われるようになるのは大正3年、『万歳歯刷子』が登場した後からでした。
さて、この歯ブラシの登場はとても画期的な出来事であったと思われますが、当時は人々の関心が低くすぐには浸透しませんでした。
その理由としてあげられるのが、動物の骨と毛という素材で作られた馴染みのないものであった点でした。
また歯ブラシは高価なものであり、文明開化後にもお歯黒の風習を続けている女性には房楊枝は歯の手入れに欠かせない必需品とされていた為、なかなか浸透せず、一般に普及したのは日常生活の洋式化が進んだ明治時代の後半から大正にかけてのことでした。
余談ですが、このお歯黒をつけるという習慣は既婚婦人の証明であったことはよく知られていますが、その他にも虫歯予防の見地からも有効であったとされています。
このことをヒントに、お歯黒に使われていた成分で子供の虫歯予防・進行防止を目的とする歯科用薬剤が作られました。
しかし最近の日本では審美性の観点からあまり使われなくなりました。

お話を戻します。
明治時代に歯ブラシが西洋文化とともに流入し、日本でも歯ブラシの生産が始まりました。
歯ブラシが脚光をあびるようになるにつれてブラシ製造を専業とする業者も徐々に増えブラシ製造技術を発展させてきました。
しかし発売当時は全て手作業で行われていたため作業効率が悪く、また歯ブラシも現在のような形や素材よりも劣るものでした。
そこで歯ブラシの企業は、より清掃性の高い歯ブラシの開発を求め大学病院などと共に研究を積み重ね、昭和26年頃になると現在のようなナイロンと樹脂からなる歯ブラシが登場しました。
ナイロンと樹脂は大量生産が可能であるため画期的な発見であったと言えます。
さらに現在では年齢や用途によって歯ブラシの形や硬さなどが異なる多くの種類の歯ブラシが誕生しました。

また清掃補助具として以下のものも誕生しました。

・舌ブラシ 舌の上の口臭の原因になる舌苔を取り除く
・タフトブラシ 重なった歯の隙間や1番後ろの歯の奥など磨きにくい箇所を磨く
・歯間ブラシ 歯と歯の間の清掃や被せ物(ブリッジ)の下の部分を磨く
・デンタルフロス 歯と歯の隙間を磨く

さらに、歯磨剤も砂などが含まれた歯を磨くためだけの物理的歯磨剤から歯を強くするためにフッ素などが配合された化学的歯磨剤に進化していきました。
そしてこのような清掃器具の研究開発の要素にブラッシング方法が加入していき、近年では日本歯科医師会による口腔衛生の向上を普及、啓発する運動や厚生労働省による歯科疾患の実態に関する調査なども行われるようになりました。
詳しくはこちらをご覧ください。

日本歯科医師会 啓発運動一覧
https://www.jda.or.jp/enlightenment/
厚生労働省 歯科口腔保健関連情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/shikakoukuuhoken/index.html

まとめ

歯磨きの歴史はいかがでしたか?人類は紀元前から口腔清掃をはじめ、清掃器具に関しては、より適した形をもとめ技術を磨き改良を重ねることで現在の形が人々に定着しました。
歯磨剤や清掃補助具に関しても日々研究が進んでいます。
このように便利に健康が手に入れられる時代であるからこそシチュエーションに合った清掃器具を選択し、正しい使い方をマスターすることが大切です。
全身の健康と関係の深い歯を守るために、日々のオーラルケアを大切にしましょう。

(参考文献 改訂歯ブラシ事典・見て楽しい歯的博物館)

歯科医師 小松リナ

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BiPSEE医療XR

 

空は高く澄み渡り、さわやかな季節となりましたが、皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと存じます。

今回は、治療に不安があるお子さんや保護者の方々のために開発された「BiPSEE医療XR」についてご紹介します。
BiPSEE医療XRは、ゴーグルと特殊なスマートフォンを使用して、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を体験できる装置です。
歯科では、待合室からユニットへの移動や、待ち時間、治療中などお子さんが不安や緊張を感じる場面で有効に用いることができます。

 

画像コンテンツとして、画面のなかを魚やくらげが動き回る「海のいきものとあそぼう」、蝶やとんぼが飛び回る「きのこの森たんけん」、雪の結晶がひらひらと舞い落ちる「毎日がクリスマス」があります。当院の患者さんには、「海のいきものとあそぼう」が一番人気でした!今後も面白いコンテンツが増えることを期待します。

また、トムとジェリーのアニメーションも人気で、夢中になりすぎて治療が終わったのに気づかないお子さんもいました。

公式HPによると歯科VR体験後には保護者からも前向きな回答が得られたようです。

当院でも体験された患者さんの多くにご好評をいただきました。
興味がある方はぜひ下記URLをご参照ください。

https://www.bipsee.co.jp/

歯科医師
松崎麻実

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WDAI

先日ストローマン主催のインプラントのセミナーWDAIベージックコースに参加してきました。
WDAIは“Woman Dental Academy for Implantology”女性歯科医師が学びやすい環境を目指したもので、講師の先生は田中道子先生を始め、柳井知恵先生、立川敬子先生、渥美美穂子先生の他、臨床経験豊富な女性歯科医師の講師の先生方か多くいらっしゃいました。
そこで学んだことや感じた事など交えながら以下でご紹介していきたいと思います。

セミナーは合計2日間行われました。
1日目はインプラント学概論、インプラントに必要な局所解剖、インプラント診査診断、治療計画、外科の基本などの講義がありました。インプラントを行う上で重要な動脈や神経、起こりうる合併症、偶発症など改めて学ぶことができました。
患者さんによって残っている歯の数や骨の状態は様々であるため、それを調べるための診査、診断、患者さんへの説明と同意がいかに重要であるかも学ぶことができました。
また、小林先生によるインプラント器具の特徴の基本や今回はストローマン会社でのセミナーであったため、ストローマン会社のインプラントの特徴をマニュアル本を参照しながら学びました。
メーカーによる違いなどが詳しく聴けるのはセミナーならではと感じました。初心者でもとても分かりやすく面白く教えて頂きました。

午後はストローマン社製、BLT、TL埋入のインプラント外科実習を行いました。
外科実習では柳井先生によるデモンストレーションのもと、顎模型を用いてインプラント体埋入実習を行いました。
BLTとはボーンレベルインプラントのことで、アバットメント(被せもの、歯として見える部分とインプラントを接続させるもの)が骨の中のレベルにあるもの、TLとはティッシュレベルのことでアバットメントの接続が骨の上、歯肉のレベルにあるものを言います。今回はこの二種類のインプラント体の埋入実習をしました。
また歯肉付きの模型であったため切開の入れ方から縫合の仕方まで、臨床経験の話を交えて頂きながら行うことができました。

2日目はインプラントの補綴の基本、デジタルデンティストリー、ガイデットサージリー(インプラントを埋入する際の指標となるもの)、 光学印象のデモンストレーション、CAD/CAM(コンピューターで設計、作製するもの)についての講義がありました。
デジタル化の普及により印象材(型取りの材料)が不要となり不快感の軽減や嘔吐反射の方にも使用でき、印象を画面上で即時に観察することやデータを送信、共有できることが可能になった事でIOSの優位性を学ぶことができました。

午後は補綴実習、オープントレー法による印象採得がありました。
インプラントの型取りには用いるコーピング(型取りに使用する部品)によってオープントレー法とクローズドトレー法の2種類があります。

印象からコーピングの着脱をしないため一般的に印象精度が良好とされているオープントレー法を用いることが多いですが、コーピングの長径が長いため、口を大きく開ける事に制限のある方にはクローズドトレー法を用います。
今回は印象精度をあげるためのコツや注意点をご指導頂きながらオープントレー法を行いました。

インプラントの歴史は50年になりますが、講義や実習が大学取り入れられたのは最近であり、大学時代にインプラントを学んだ事のなかった先生方やこれからインプラントを臨床に取り入れていきたい先生方など様々な理由で参加していました。
私は現在研修医なので大学での座学メインのインプラント治療についてしかわかりませんでしたが今回のセミナーで基礎的な知識と共に具体的な症例を見ながらの講義や実習があったため臨床的な知識を身につけることが出来たと思います。


また講師の先生は皆女性という事もあり、女性歯科医師ならではの考え方などを聴くことができました。

これまで、歯がなくなってしまったら入れ歯かブリッジの二択になってしまっていたところにインプラントが加わることで、治療の選択肢の幅が広がるのだと感じたのと同時に今後習得すべき技術だと思いました。

教科書で学んできた事が基本なのはもちろんですが、それだけではなく臨床での実際や経験談を聴き、また臨床で活躍される先生方を目の当たりにし今後のモチベーションの向上になりました。今回のセミナーで学ばせて頂いた沢山のことを活かしていけるよう日々精進していきたいと思います。

歯科医師 沼口友美

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口腔機能の衰え
《オーラルフレイルとは》

皆さまこんにちは。
厳しかった夏の日差しも少しずつ秋風とともに和らいでまいりました。
夏のお疲れで体調を崩されてはいませんか?

今回は「オーラルフレイル」についてご紹介したいと思います。
皆様は「フレイル」という言葉を耳にしたことはございますか?

※frailtyの概念の日本語訳はこれまで虚弱が使われてきましたが現在では概念との整合性をとるため日本老年医学会から提唱されたフレイルが日本語訳として用いられています。

フレイルとは心身機能が落ち、介助が必要になる一歩手前の状態をいいます。
この状態のままでいるとやがては寝たきりや介助が必要な状態になってしまいます。
しかし、早期に原因を把握し適切な介入をすることで再び健康を維持し、自立した状態へ戻すことができるというものがフレイルです。

またフレイルは身体的な衰えのほか、心理的や社会的な衰えなどの多面性をもちます。

※ロコモティブシンドローム…運動器の障害により歩行困難など要介護になるリスクが高まる状態
※サルコペニア…加齢や疾患による筋力が低下した状態

オーラルフレイルの説明と問題点

そして、口の衰えを特にオーラルフレイルといいます。
口は生活に欠かせない機能を多く有しています。
しかしオーラルフレイルによって様々な障害が出てきてしまいます。

たとえば、虫歯や歯周病による歯の喪失に対し適切な治療がされず放置された状態が続くことで口の機能である咀嚼機能(食べ物を噛む能力)が衰え始めます。
咀嚼機能が衰えると噛めない食品が増加し、適切な栄養素(タンパク質等)を摂ることができなくなり、身体に低栄養をもたらします。
低栄養状態になると筋肉量も低下しさらなるフレイルの悪化に繋がります。
また咀嚼しなくなることで、認知機能の低下にもつながると近年言われています。
さらに、オーラルフレイルでは、あえて噛みやすい食事を選択することで舌や口の周りの筋肉、食べ物を飲み込む為の筋肉が使われにくくなり、むせて咳き込むことが多くなります。
また会話の際にはうまく舌が回らなくなる等の症状が見られます。

このように口と心身の健康は互いに密に関連し、影響し合っていると言えます。
しかし、身体にトラブルが起こった場合、医科にはすぐに受診しても口のトラブルは所詮死ぬわけではない、と軽視される傾向があり、些細なトラブルではなかなか歯科を受診されない方も多いのではないでしょうか。
ではここで下にオーラルフレイルかどうかのチェックシートがあるので、1つチェックをしてみてください。

いかがでしょうか。オーラルフレイルの危険性はありましたか?

しかし、冒頭でもお話ししました通り、オーラルフレイルは元の健康な状態に戻ることができる「可逆性」の性質を持っています。
即ち、不可逆性である接触嚥下障害や咀嚼機能不全になる前に、早急にフレイルの段階で介入し改善することが重要になってきます。
ではどのような対策があるのでしょうか。

対策改善策

オーラルフレイルにならないための対策または、なってしまっている場合に出来る改善策、それは歯を残すことと口腔機能の向上です。
厚生労働省によるオーラルフレイルの提言をうけて平成元年に8020運動が生まれました。
8020運動は80歳で20本以上の歯を保ち、何でも噛んで食べられることを目指して展開されてきました。
歯を失う主な原因は歯周病と虫歯によるものであり、これには日々の適切なブラッシングとかかりつけ医による定期的なクリーニングと検診を受けることで予防が可能です。
また8020が達成できなくても、失った歯をブリッジや入れ歯で補綴し、口の中の状態を良好に保つことで食べられる口の維持につとめることが重要です。
また栄養を十分摂取するために、歯を残すことと同時に噛み砕き、飲み込むといった口の周りの筋肉の機能の向上にも目を向ける必要があります。
そのためには普段からの口周りの筋肉を鍛えたり、食べ物を口の奥へ運ぶ潤滑剤である唾液の分泌の促進が重要になってきます。
例えば前者には〈パタカラ体操〉というものがあります。
それぞれの発音でどこの筋肉を使っているか意識することで自分はどこの筋肉が落ちているのかを認識することができます。

また、唾液を分泌させ、円滑な食事をするために、〈唾液腺マッサージ〉があります。
唾液は唾液腺という分泌腺から分泌されますが、加齢や服用されている薬の副作用、ストレスがかかったり緊張などで出にくくなります。
唾液が出にくいと感じている方は下図のマッサージ方法をお食事の前にぜひ試してみてください。
しっかりと唾液が分泌されれば食べ物の味を感じ、美味しく食べることができます。
そしてこれらを継続することがオーラルフレイル改善の近道となります。

さらに、意識的に咀嚼や口唇、舌の運動を促す食事を選択することが大切です。
低下した咀嚼を中心とした摂食・嚥下機能に関わる筋肉を回復させることで摂食・嚥下機能だけではなく全身の筋力や身体機能も回復し、外出、食事、会話を楽しむことができ、社会参加への自信がつくことで精神心理的フレイル、社会的フレイルからも脱却できると考えます。

まとめ

現在我が国は世界で最も高い高齢化率を有しており、2025年には団塊の世代がすべて、75歳以上となり、2040年には高齢化のピークを迎えようとしています。
その為今後は平均寿命と健康寿命の差を減少させ、元気に長生きすることが大切です。
ご高齢になってからすでに衰えてしまった口の機能を回復するのは難しくなってきます。
そのため、口の中の些細な異変にご自身で早く気がつき、定期的な歯科でのオーラルフレイルのチェックをお勧め致します。
また、ご自身や歯科にて口腔機能訓練のみを行うよりも、日々の食事を通じて口腔機能を改善する方が栄養状態も改善することから効率的であると考えます。
生きることは食べること、しっかり噛んでしっかり食べることが大切です。
現在、飲み込みづらい、口が渇くといった症状でお困りの方、さらに口腔機能訓練をもっと知りたい等、少しでもオーラルフレイルについて気になってる患者様がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。

歯科医師小松リナ

〈参考文献〉
日本抗加齢医学会雑誌アンチエイジング医学2016
老年歯科医学用語辞典第2版
マンガでわかるオーラルフレイル

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唾液によるがんリスク検査

まだまだ暑い日が続いておりますが、皆さまは熱中症や夏バテで体調を崩したりしていないでしょうか?
暦の上では秋の始まりの季節になりますが、今年の暑さは9月上旬まで暑さが続くようです。
暑いと食欲が減退気味になりがちですが、しっかりと栄養を摂って猛暑を乗り切りましょう。

今回は、Saliva Checker® で行う「唾液によるがんリスク検査」ついてご紹介したいと思います。
現代は2人に1人が「がん」になると言われる時代です。
そして多くのがんは、早く見つけて、早く適切な治療をすれば治すことが可能と言われています。
早期発見のために、定期的ながん検診は非常に有益であることは言うまでもありません。

しかしながら年に一度はがん検診を受けるべきとは思いつつも、何かと忙しい日常生活の中で、なかなか気軽に受けられないことが多いのではないでしょうか?

私も去年は重い腰を上げて、ようやく区のがん検診に行ってきました。
胃がん検診と女性なので子宮頚部がん検診、乳がん検診と様々な医療機関にその都度行き検査を受けました。
何か月かに渡りやり遂げましたが、検査と検査結果を聞きに何回か各医院に通ったので正直、結構大変でした。

医療機関で行われる検査は、その方法や検査対象により、生体検査と検体検査に大別されます。

生体検査とはさまざまな機器を用いて患者さんの体を直接検査するもので、血圧、肺機能、心電図、脳波測定などに代表される生理学的検査がこれにあたります。
X線撮影やX線CT、MRIなどによる画像診断、超音波検査、内視鏡検査などもあてはまります。

一方、検体検査とは、血液や尿、便、たんなど、患者さんから摂取した検体を分析して病気を調べる検査です。
唾液を採取して調べる方法もこれに分類されます。

また検査は検査の目的にあわせて以下の2つに分類されます。

一つがスクリーニング検査と言い、病気にかかっている「可能性」があるかどうかを調べる検査で、地域や職場の集団検診や人間ドック、医療機関を外来受診したときに行われる一般的な検査などがこれにあたります。
あくまでも、何らかの病気の「可能性」がある人を効率的にふるいに分けるのが目的なので、ほとんどの場合、この段階では病気の診断を確定できません。

次に、スクリーニング検査で異常が見つかった場合や、診察の初期段階からある程度病気の見当がついている場合などには、より詳しい検査が行われ、病気の診断が確定されます。
これをスクリーニング検査などの一般的な初期段階の検査と区別して、精密検査と言います。

今回ご紹介するSaliva Checker®(サリバチェッカー)はこのスクリーニング検査に相当します。
がんの確定診断を行うためのものではなく、現在がんの疑いがあるかどうかを調べるスクリーニング検査です。
「がんである」という診断を下せるものではないということをご理解していただく必要があります。

サリバチェッカーの検査においてリスク値が高い結果の場合には、検査後の相談ができる医療機関で相談することが重要です。
その後、必要と判断されれば、精密検査へと進んでいきます。

唾液は「身体の鏡」と言われ、血液や尿と同じように健康状態の良し悪しを反映します。
唾液中の成分の大部分は血液由来のため、がん細胞から染み出す代謝物質は血管を通り、唾液中に染み出すそうです。

Saliva Checker®(サリバチェッカー)は、唾液中に染み出したこれらの物質の濃度を解析することで、がんのリスクを調べます。

血液検査では採血時に針を刺します。
これが苦手な人は多いようです。
一方、唾液を採取する方法は針刺しも無く、自分の口の中に溜まった唾液(安静時唾液)をストローで吐き出すだけという簡便なものであり、歯科医院で行うことができます。

唾液採取には際してより正確な検査値を出すために下記の注意事項があります。

①検査前の2日から食事制限、具体的には以下の食品の摂取を控えてください。
 枝豆、納豆、豆腐などの豆を主原料とした料理。
 胡桃、アーモンドなどのナッツ類やシジミ
 豆類、ナッツ類、シジミ材料を原料としたサプリメントや健康食品
②検査前日は、夜9時以降、水以外の飲食を控える
③検査当日は、朝食を控える。歯磨きは検査の2時間前までに済ませる。
 ガム、飴、トローチの摂取は不可。
 うがい薬、入れ歯接着剤の使用も不可。
④検査1時間前は激しい運動は避ける。
⑤喫煙や口腔内のお手入れ(爪楊枝、歯間ブラシなど)も禁止。

ドライマウスや唾液の出にくい方及び薬を服用の方は事前に医師にご相談ください。
現在のところサリバチェッカーでは、肺がん、膵臓がん、大腸がん、乳がん、口腔がんのがんリスクを知ることができます。

1度の比較的簡便な検査で、複数のがんのリスクが分かるこの方法は、ハードルの高かったがん検診を身近なものにしてくれるものと思われます。
今後この唾液検査は人間ドックのフォローとしても活用され、今後有益な検査手段として大きな役割を担っていくことが期待されています。
がんのリスク検査にご感心のある方はお気軽に御相談下さい。

歯科医師
大庭美和子

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永久歯に生え変わる時期は?

長引く梅雨にさわやかな青空が待ち遠しい今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。
最近当院では、学校歯科検診で紙をもらったお子さんが多く受診されています。

そこで親御さんから「お友達は乳歯が抜けているのにうちの子はまだ」、「乳歯が抜けてなかなか永久歯がはえてこない」など生え変わりに関する心配の声を多く耳にします。
そこで今回は子供の永久歯はいつ生えてくるのかをお話ししたいと思います。
一番前にある中切歯から順に1,2,3・・・と数えていくと

生えてくる順番は男女とも上顎が6≒1→2→4→3→5→7、下顎が1→6→2→3→4→5→7の順番になることが多いようです。
まず6歳前後になると最初の永久歯が生えてきます。
以前は、下の第2乳臼歯の後ろにある第1大臼歯が、最初に生える永久歯となるのが普通だったのですが、最近は下の乳中切歯が永久歯に生え変わるほうが早い場合が多いようです。
永久中切歯が生えて6か月から1年くらい過ぎるとその横の側切歯や上の中切歯が生え変わり、さらに数か月遅れて上の側切歯が生え変わります。
9歳から12歳くらいにかけては、側方歯群と呼ばれる乳犬歯、第1乳臼歯、第2乳臼歯が順次生え変わり、さらに、これらの歯の一番後ろに第2大臼歯が生えて、永久歯の歯並びが完成します。

人によっては20歳頃になると、さらに後ろに親知らず(第3大臼歯)が生える場合もあります。
すべての永久歯で女子の生えてくる時期が早い傾向にあります。また近年日本人の永久歯の生えてくる時期のばらつきが大きくなっている傾向があるようです。つまり永久歯の生え変わりは個人差が大きくなっていると言えます。

 

【生え変わりの際の注意点】

乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきてしまった時
 ・乳歯が揺れているが永久歯が下から出てきた
乳歯が揺れているのであればそのまま経過を見ます。だだし、かんだ時に強く痛みが出て食事もとれないようであれば抜歯をします。特に下の歯の前歯に起こりやすく、乳歯が抜ければ裏側から前に移動します。
 ・乳歯が揺れているがいつまでも抜けずに残っている
奥歯に起こりやすく、乳歯の根は2本あり、永久歯が斜めに生えてくると片方の根が溶けずに残ってしまい揺れはしても、なかなか抜けないことがあります。この場合は抜歯をする必要があります。乳歯が抜ければ永久歯は正しい位置に移動することが多いです。
 ・乳歯が全然揺れていない
乳歯が全然揺れていないのに永久歯が出てきてしまうことがあります。骨の中で永久歯の位置がずれて、乳歯の根を溶かさずに出てきてしまったためです。この場合も抜歯をする必要があります。乳歯を抜歯すれば永久歯は正しい位置に戻ります。

乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない時
 ・乳歯が抜けても3か月永久歯が生えてこない
そのまま経過を観察します。特に上の前歯は乳歯が抜けても永久歯がなかなか生えてこないことが多いです。
 ・乳歯が抜けても半年生えてこない
レントゲンを撮って歯茎の中に永久歯があるか、過剰歯などの異常がないか確認します。
 ・先に隣の永久歯が出てきた
永久歯には自然に生えてくる力はありません。矯正の力を使って引き上げる処置をします。

乳歯がいつまでも生え変わらない時
 ・成長がゆっくりな方
乳歯が交換の時期になってもかなり残っている場合があります。レントゲンを撮って永久歯の存在がわかれば交換まで待ちます。
 ・下に永久歯がない先天性欠如
乳歯の下に永久歯がない先天性欠如の方がいます。その場合は乳歯をそのまま使い続け店もらうことが多いです。
噛む力を維持するため、なるべく乳歯を長持ちさせることが第一目標になります。乳歯が抜けてしまった場合、歯列矯正もしくは入れ歯・ブリッジ・インプラントなどの補綴治療を行います。

生え変わりは個人差が大きく、心配しすぎる必要はありません。日頃からお子さんの口の中をよく観察して、心配なことがありましたら歯科医院に相談しましょう。

歯科医師
末次里沙

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口臭白書 2019

 
西日本もようやく梅雨入りをし、関東も雨の日や曇りの日が続いています。
蒸し蒸し暑かったり、肌寒い日があったりと気温の変化がありますが、皆さまはお元気でお過ごしでしょうか?
梅雨空のどんよりとした天気の中でも、色とりどりの紫陽花が咲いているのを見ると心が癒されますね。

皆さまの口腔内のお悩みにはどんなものがあるでしょうか?
一人一人様々なお悩みを抱えていらっしゃるとは思いますが、口臭白書2019によると自分自身の口臭が気になった経験が「よくある」が17.9%、「時々ある」が56.7%にのぼっています。
「1度はある」(16.0%)を合わせると90.6%、口臭が気になった経験があるという結果でした。

口臭症の国際分類

口臭には食べ物によるものや舌苔、唾液の減少などの口腔内由来のものや、糖尿病や扁桃腺炎、蓄膿症などの口腔内以外の原因など様々なものがあります。

その中でも、口臭の原因の多くが舌苔(舌にたまった食べかすや粘膜)によるもので、舌苔以外にも虫歯、歯周病といった口の中に由来するものがほとんどです。
舌苔とは舌に付着した白っぽい汚れで、口臭を引き起こす細菌やタンパク質を多量に含んでいます。
多少の舌苔は健康な人にもありますが、口の中が乾いているとき、体調がよくないとき、胃腸の病気や脱水を伴う病気があるときなどに厚くなると口臭の原因となります。

口臭の原因を調べる検査の1つに、ガスクロマトグラフィーがあります。
これは、機械で口の中の臭い成分を数値化して調べる検査法で口の中の細菌が出す硫化水素や歯周病菌のメチルメルカプタン、内臓疾患などがあるときに出るジメチルスルフィドという、口臭の原因となる3つのガスを分析します。
3つの成分以外のガスが口臭の原因となるケースもあるため、その場合は、医師が直接臭いを嗅ぐ官能試験で確認します。

皆さまの中にもこのようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
口臭対策としては、日頃の歯みがきで口腔内を清潔にすることや舌ブラシによるケア、唾液分泌促進のためよく噛んで食べる事などがポイントになります。
もし、強い口臭が気になるときは舌苔の異常や歯周病、虫歯など、口臭の原因となる病気がないか、歯科医院でチェックを受けることをお勧め致します。

歯科医師
沼口友美

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